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[企業インタビュー]株式会社アーダン

  • 執筆者の写真: JCC編集部
    JCC編集部
  • 4月7日
  • 読了時間: 5分

―――本日はお忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。

2024年10月にパリで開催されたCOSMETIC360では、当会の共同出展ブースにてご出展いただき、ありがとうございました。


株式会社アーダン 工場
株式会社アーダン 工場

―――まずは御社のご紹介と、事業を始めたきっかけを伺ってもよろしいでしょうか。


弊社、株式会社アーダンは東シナ海に浮かぶ奄美大島に位置しています。

2021年には世界自然遺産にも登録されたこの奄美大島では、世界三大織物にも数えられる「大島紬」が約1,300年以上、生産され続けています。


創業者でもある私の母、西 里依は化粧品販売代理店も経営していたのですが、同時に大島紬の織り手でもありました。

大島紬の織り手の間では、古来よりシルクの効果効能が口伝で伝えられていました。「マユ アラウィバ ティガ キョラサヤァー」という言葉がそうです。

奄美方言で「繭を洗うと、手がキレイだねー」という意味です。


―――大島紬の織り手の皆様は、みなさん手がきれいだと伺いました。当時からシルクの効果効能は実感されていたんですね。


それをきっかけにシルク化粧品を始めたんです。弊社は30年前にシルクを主原料にした化粧品の製造・販売を始め、また「シルクに包まれた生活」を実現するために、健康食品や寝具等の販売商品を増やしてきました。

また私の兄であり現社長でもある西 博顯(にし・ひろひと)は創業当時大学で研究職に努めていたのですが、その兄のアドバイスやサポートもあって設立にこぎ着けました。


――貴社の商品の特徴とこだわりを教えてください。


古来よりシルクは手術の縫合糸に使われたりと、人体との親和性が非常に高い素材です。


今でこそシルクを使った化粧品は各社から販売されていますが、創業当時は化粧品にシルクを使用しているメーカーはどこにもありませんでした。


弊社ではシルクを主原料に、界面活性剤不使用の化粧品を奄美の自社工場で生産しています。

カイコの餌となる桑の栽培から行う養蚕部も10年前からスタートし、原料から出荷までの一貫生産を目指しています。


もう一つのこだわりは奄美の美しい自然を守る、環境にやさしい製品づくりを大前提としている点です。

晩年を奄美大島で過ごした日本画家、田中一村の作品に描かれるように、奄美大島には雄大で手つかずの自然が広がっています。


私たちが祖先から受け継いできたこの海、マングローブの森、サンゴたちを守り傷つけることがないよう、化学物質を極力使用せず、細心の注意を払いながら製造を行っています。


2012年に龍郷町で操業開始した自社工場も、住民の方々に対して説明会を開催し、納得がいただけるまで丁寧に説明を尽くしてから着工に至りました。



―――創業当時御社の界面活性剤不使用というポリシーは、奄美の自然を守るためでもあったのですね。


もちろん、当社の製品を使っていただいているお客様のためでもあります。当社の製品のイメージは自宅で家族と食べる「おうちごはん」のようなものだと考えていただければ分かり易いでしょう。

自分たちが本当に使いたいもの、お客様に安心して使っていただきたいものだけを提供することが、企業としての使命だと考えています。

工場で充填する様子
工場で充填する様子

――今回、展示会に共同出展されたきっかけはありますか?


以前は単独でフランス・コスミーティングに出展したり、JCCさんとの共同出展でCOSMETIC360に出展したりと、海外展示会には積極的に出展をしていたんです。


ですが、2015年のパリでの同時多発テロや、2020年からの新型コロナ感染拡大の影響で一旦海外展開を中断していました。

今回は他からのご紹介で再度JCCさんとお話をする機会があり、もう一度海外展開をしようと考えたのがきっかけです。



――今回の出展の成果や、大変だったことはありますか?


沢山の方とお話ができ、コンタクトアドレスを貰うことができたのが大きな成果です。

あとはこれを繋げていきたく思います。

正直なところ、想定より大きな反響があったことに私としても驚いています。


大変だった点というか、反省点としては、魅力ある展示の作り込みが不十分だった点です。それとプレゼンがやはり大変で、ギリギリまで準備していました。

このような事態も現地に行ってみないと分からないことがあるので、やはり余裕を持ったスケジュール管理と事前の十分な準備が大事だと思います。


今回からCOSMETIC360公式アプリが主催者側から提供されていたのですが、慣れずに使いこなせなかったことも反省点ですね。ですが、JCCの方が間に入っていただきサポートしていただけたのは大きかったと思います。


近年はメイドインジャパンの化粧品が脚光を浴びることが増えてきた感覚があります。

15年程前までは韓国コスメに勢いがありましたが、日本も負けていません。

弊社としてもEU、中東、ロシアのお客様が増えてきましたし、日本製化粧品のマーケットが拡がりつつあるのではないでしょうか。


――今後の展開・見通しがあれば教えてください。


今後はまずつながる事ができたクライアントさんとの商談を進め、そこから取引ができるところまで進めていければと考えております。

今回もし取引に至らなくても、次回出展した際には展示会にご招待をして、会場まで足を運んでいただき、何度も繋がりを続けることで広げていける可能性もあると思います。

やはり展示会は一度出展しただけで次につながることは少ないです。繰り返し何度も出展し続けることが大事だと考えています。

引き続きフォローしながら種蒔きを続けていきます。



インタビュー企業:株式会社アーダン

絹とともに歩む

会社概要

■会社名:株式会社アーダン

■代表者:代表取締役社長 西博顯

■コーポレートサイト:https://adan.group/

■事業内容:シルクを主原料とした化粧品の原料・自社製品製造販売

お問合せ:https://adan.group/contact/






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