化粧品で地方を元気に、頑張る人々を美しく笑顔に
本日はお忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
今回お伺いしたのが、当会会員のNeika合同会社 代表の宮嶋様が初の自社オリジナル製品「NEIKA THUYA SERUM」をリリースされたとのことでしたので、お話を詳しく伺えればと思ってきました。
まずは宮嶋さんの経歴含め、自己紹介をお願いできますでしょうか。

こちらこそこんな機会をいただきありがとうございます。
エステサロンでの勤務や化粧品の販売などに従事しながら、2014年に佐賀県唐津市にてエステサロン「Sun Fleur(現NEIKA SPA)」を開業いたしました。
サロンではフェイシャル、ボディマッサージ、脱毛、化粧品の販売などを行なっています。
近年は海外での展開も目指して頑張っています。

―――宮嶋さんのSNS等を拝見していると、頻繁に海外出張に行かれているのを見かけます。アメリカ合衆国カリフォルニア州シリコンバレーの視察で大変感銘を受けられたと伺いましたが、その視察に行くことになったきっかけはどういったものだったのでしょうか。
2018年に福岡市の起業家育成プログラム「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」に応募したことがきっかけです。
エステサロンをスタートしてしばらくした頃、経営が安定すると同時に事業の伸び悩みを感じていました。そうしているうちに、漠然とではあるんですが海外を見てみたいという思いが募ってきました。
あれこれ悩んでいるうちに偶然前述のプログラムを見つけて、思い切って参加することに決めたんです。
グローバル企業が集結しているシリコンバレーで経営を学べば、少しでも経営者としての意識を世界標準に近づけることができるのではないかと思いました。

―――実際シリコンバレーに行ってみていかがでしたか?
日本と何もかも違うことに驚きの連続でした。特に大きな違いはスピード感でしょうか。
例えば打合せひとつをとっても日本だとアポをとって、時間調整して…というような段階を踏む必要がありますよね。
シリコンバレーでは、スピーディーな打ち合わせで時間をとってくれて、重要な案件もその場で決断してくれるということが当たり前の世界でした。
働いている人もみなさん視野が広いといいますか、意識して世界を見ているという印象がありました。グローバル企業は対象とするマーケットも世界規模なので、当然のことですよね。
とにかくいろいろな意味で圧倒されました。先に述べたようなスピード感やグローバル感覚もそうですが、一番印象に残っているのは働いている人たちの姿ですね。
皆さんとても楽しそうで、働くことが幸せだという雰囲気が伝わってきました。
―――日本とは大きく異なる環境に触れたことで、ご自身の経営意識にも大きな変革があったのですね。
シリコンバレー視察後は、強い危機感を抱きました。このままではいけない、世界に埋もれてしまうという自分自身に対する危機感です。
それだけでなく、今住んでいる唐津のような地方都市が抱える問題も意識しはじめました。
もう何十年も問題提起されていますが、地方の衰退・貧困の問題です。
自身の仕事を通じて地域に貢献したいという思いも募ってきたんですね。
その後は2021年にグロービス経営大学院へ入学、2023年に同院を卒業しました。
今までインド、ハワイ、香港、タイなど各国を視察しましたが、その度に日本との違いを実感し、衝撃を受けていますね。
―――海外を体験したことで、ご自身の価値観が大きく転換したんですね。そんな体験をしたあと、自社ブランド(NEIKA)を立ち上げるきっかけになったことはありますか?
きっかけはジャパン・コスメティックセンター様(以下JCC)なんですよ。
もともとJCCで開催されるセミナーに参加したりして、オリジナルブランドの化粧品を作りたいとずっと考えていました。
一昨年(2023年)に開催されたJCCの社員総会に参加したのですが、その際にJCCのコーディネーターの方に「オリジナルの化粧品を作りたい」と相談してみたんです。

その際にJCC会員企業である唐津のOEM企業様を紹介してもらったんですね。
コーディネーターの方にはふるさと納税返礼品として登録を視野に入れるのであれば、事前にOEM企業様に相談した方がいいというアドバイスもいただきました。
そうしたご縁もあり、その企業様で作っていただくことを決めました。
――一昨年の社員総会からスタートして、わずか1年でリリースされたんでよすね。とてもスピード感のあるプロジェクトだったのではないでしょうか。
最初はそもそも自分が化粧品を作れるものなのかということも分からない状態でした。
そんな私にも企業様には親身に対応していただいたおかげで、無事製品完成まで漕ぎ着けることが出来ましたし、ブランドも立ち上げることが出来ました。
今回ご紹介いただいた企業様をはじめ、唐津市は化粧品作りにとても良い環境だと感じています。JCCだけでなく、地域に化粧品関連産業が集積しているこの環境、コスメ構想があったからこそ実現できたプロジェクトだと考えています。
―――まさしく「オール唐津」で出来た製品ですね。そんな貴社の新商品である「NEIKA THUYA SERUM」の特徴とこだわりを教えてください。

当初より佐賀県産の素材を使いたいという思いがあったのですが、なかなか見つけることができず困っていました。そんななかで前述のOEM企業様から、佐賀のブランドフルーツであるイチゴの「いちごさん」、JAからつオリジナル品種であるミカンの「はまさき」を使った原料を紹介していただきました。
スーパーフードとして有名なキヌアの種子から抽出された「コビオリフト」という成分も配合し、皆さんに手に取っていただける美容液が出来たと思います。
ローゼルも使用しています。ローゼルは残念ながら唐津産の原料が使えなかったのですが、いつか地元の原料を使いたいという願いを込めて今回入れさせて頂いたところもあります。
まだまだ地元の原料は少ないですが、これからたくさんの原料が増えることを願っています。
―――製造だけでなく、原料も唐津産にこだわられているんですね。宮嶋様の地元・唐津に対する強い思いが伝わってきます。
新商品開発にあたって、工夫した点や苦労した点はありますか?
最も工夫した点はデザインです。
国内のお客様にも喜んでいただきたいのですが、海外展開も検討しているため、海外へ化粧品の視察を繰り返し、日本だけではないグローバルな視点でデザインを考えています。
海外の化粧品売り場に並んでも、キラキラと凛々しく輝く化粧品をイメージしてデザインしました。
ボトルに『JAPAN』と入れているのも、海外のお客様が手に取った時、日本の化粧品‼と気づいてもらえるためです。少しでも日本のコスメ業界へ貢献できたらと考えています。

苦労した点としてはブランドの確立でしょうか。
激戦区である化粧品業界で自社の強みは何なのか?お客様にとって『NEIKA』の化粧品を手に取って使って頂けるメリットは何なのか?というところだと思います。
デザイナーさんとも相談し、かなり時間をかけてデザインさせて頂きました。
―――最後に、今後の展開・見通しがあれば教えてください。
今後は海外展開を視野に入れています。地域の原料、地域の会社様と、そしてエステのお客様と共に自社オリジナルの化粧品を作り海外への方々へ届けることができれば、地域のためにもなると考えました。
実は昨年香港で開催されたCosmoprof Asia Hong Kong 2024に視察に行ってきました。
出展していた方はみなさん「世界を目指していこう」という強固な意思を感じました。
出展企業も日本からは70社程度でしたが、韓国からは約500社、中国からはさらに多くの出展があり、日本とは大きな開きがありました。

でも、決して日本の化粧品が中国や韓国と比較して劣っているとは思っていません。特にその品質は世界に誇るクオリティだと思っています。
佐賀の化粧品、そしてコスメ構想を世界に伝える活動を展開していきたいと考えています。
ありがたいことに今回、JETROが開設している「中小企業海外ビジネス人材育成塾」にご縁をいただきました。
これから化粧品事業をやっていこうという志がある人を育成するプログラムだったのですが、その一環として2月に開催されるシンガポールの展示会「BeautyAsia2025」での出展を予定しております。
初めての海外展示会の出展で、現地の薬機法や事前に準備すること、言語の壁、文化の違いなどさまざまな課題はありますが、『日本の化粧品はいい!』ということを少しでも海外の方にお伝えできたらと思っています。
―――スケールの大きい構想に思わず圧倒されてしまいます。宮嶋様とのインタビューを通じて、世界の広さを改めて実感しました。
仰る通り世界は広いです。そんな広い世界でも日本の化粧品はやはり良い!
みんなでどんどん海外へ行きましょう!切磋琢磨!よろしくお願いいたします!
『化粧品は人を笑顔にし、人生まで美しくする』と私たちは信じています。
お客様の声に耳を傾け、化粧品の常識を超えてその先へ。
地球全体への健康に配慮しながら商品開発を行っていきたいと考えています。
インタビュー企業:Neika合同会社
日本と世界の『美と健康』を繋ぐ架け橋へ
会社概要
■会社名:Neika合同会社
■代表者:代表取締役 宮嶋 志保
■事業内容:エステティック業、化粧品販売
■Amazon:https://amzn.asia/d/8u7UCsM
企業所在地
Text:時津 道志
ジャパン・コスメティックセンター 情報発信担当コーディネーター
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